解説 〜 二段攻撃
二段攻撃は、レギオンで登場した新しい能力です。先制攻撃と通常攻撃の両方で戦闘ダメージを与えるという、ちょっとわかりにくい能力ですが、クリーチャーの戦闘では絶大な効果を発揮する強力な能力です。

二段攻撃とは

二段攻撃を持つカードには、
二段攻撃(このクリーチャーは、先制攻撃と通常攻撃の両方でダメージを与える。)
と書かれています。
簡単に言えば、二段攻撃を持つクリーチャーは1回の戦闘で、パワーの2倍のダメージを与えることができます。これにより、パワー2の二段攻撃のクリーチャーは、戦闘でタフネス4のクリーチャーと相打ちをとることもできます。 ではなぜそうなるのか、先制攻撃と通常攻撃の両方っていうのはどういうことなのか、これを理解するには先制攻撃のメカニズムをきちんと理解する必要があるのです。
POINT! 二段攻撃は2倍のダメージを与える!

二段攻撃の処理内容

先制攻撃がどのような能力かを、正確にご存知でしょうか?それがわかっていないと、二段攻撃を理解するのはちょっと難しいかもしれません。先制攻撃を持つクリーチャーと、先制攻撃を持たないクリーチャーが戦闘すると、先制攻撃を持つクリーチャーの方が先に戦闘ダメージを与え、先制攻撃を持たないクリーチャーを一方的に殺すことができるということはご存知だと思います。しかし、それが戦闘フェイズ中で、どのように処理されるのかを知らないと、きちんと理解することはできないでしょう。
戦闘フェイズは、戦闘開始ステップ、攻撃クリーチャー指定ステップ、ブロッククリーチャー指定ステップ、戦闘ダメージステップ、戦闘終了ステップ、の5つのステップから構成されています。

通常はこの通りのステップで処理されるのですが、ここに先制攻撃を持つクリーチャーが存在すると、通常の戦闘ダメージステップの前に、先制攻撃の戦闘ダメージステップが挿入されます。ここでは、先制攻撃を持つクリーチャーだけが、戦闘ダメージをスタックに乗せることになるのです。その後で、通常の戦闘ダメージステップの処理が行われますが、ここでは先制攻撃の戦闘ダメージステップでダメージを与えたクリーチャーは戦闘ダメージを与えないのです。これが、先制攻撃の戦闘ダメージ処理です。

では、二段攻撃の場合はどうなるのでしょう?通常の戦闘ダメージステップの前に、先制攻撃の戦闘ダメージステップが挿入され、ここで戦闘ダメージを与えるところまでは変わりません。ところが、二段攻撃を持っているクリーチャーは通常攻撃の戦闘ダメージステップでも戦闘ダメージをスタックに乗せることができるのです。これにより、二段攻撃を持つクリーチャーは、1回の戦闘でパワーの2倍の戦闘ダメージを与えることができるのです。

POINT! 先制攻撃のメカニズムを理解しよう!

ブロックされなかったら?

では、二段攻撃を持つクリーチャーが攻撃に参加し、ブロックされなかったらどうなるでしょう?防御側プレイヤーにはいったい何点のダメージが与えられるのでしょうか?これは初心者の方から、非常に多く寄せられる質問の1つですが、二段攻撃のメカニズムを理解していれば簡単なことです。 二段攻撃は先制攻撃の戦闘ダメージステップと、通常の戦闘ダメージステップの2回ダメージを与えます。ですから、パワーが2なら、合計4点のダメージを与えることができるのです。
POINT! 2倍!2倍!

先制攻撃でブロッカーを殺したら?

二段攻撃は、先制攻撃と通常攻撃で2度の戦闘ダメージを与えます。では、二段攻撃を持つクリーチャーが攻撃してブロックされ、先制攻撃の戦闘ダメージによりブロッククリーチャーを一方的に殺したとします。ではその後の通常の戦闘ダメージステップでは、戦闘ダメージはどうなるのでしょう?ブロッククリーチャーはもういないのですから、防御側プレイヤーにダメージを与えることができるのでしょうか?
 いいえ、いったんブロックされた以上、そのクリーチャーが防御側プレイヤーに戦闘ダメージを与えることはないのです。そのような場合、攻撃クリーチャーはどこにも戦闘ダメージを与えません。これは通常の戦闘で、ブロック後にブロッククリーチャーを他の呪文や能力で除去したときとまったく同じです。(ただしトランプルを持っている場合は、プレイヤーにダメージを与えることができます)
POINT! ブロックされたらプレイヤーにはダメージは与えられない!

先制攻撃VS二段攻撃

では、先制攻撃を持つクリーチャーと、二段攻撃を持つクリーチャーの戦闘はどうなるでしょう?

例1:先制攻撃を持つ2/2クリーチャーと、二段攻撃を持つ2/2クリーチャーの場合
 この場合、まず先制攻撃の戦闘ダメージステップで、両方のクリーチャーが2点のダメージを与え合います。その結果、両方のクリーチャーが2点のダメージを受けて破壊されます。つまり、相打ちです。二段攻撃と言えども、この場合はどうしようもありません。

例2:先制攻撃を持つ2/3クリーチャーと、二段攻撃を持つ2/3クリーチャーの場合
 まず先制攻撃の戦闘ダメージステップで、両方のクリーチャーが2点のダメージを与え合います。その結果、両方のクリーチャーが2点のダメージを受けますが、この状態ではどちらもタフネス3ですから生き残ります。そして、通常の戦闘ダメージステップで、二段攻撃を持つクリーチャーが再度戦闘ダメージを与えます。これにより、二段攻撃を持つクリーチャーだけが生き残ることになります。この場合は、二段攻撃を持つクリーチャーのほうが有利です。

たしかに、二段攻撃は先制攻撃よりも有利な能力ですが、有利さが発揮されるのは、上記例2の場合くらいで、通常はあまり差がありません。
POINT! 二段攻撃の方が少しだけ有利

二段攻撃VS二段攻撃

今度は、二段攻撃を持つクリーチャー同士の戦闘はどうなるのかを見てみましょう

例1:二段攻撃を持つ2/2クリーチャーと、二段攻撃を持つ2/2クリーチャーの場合
 この場合、まず先制攻撃の戦闘ダメージステップで、両方のクリーチャーが2点のダメージを与え合います。その結果、両方のクリーチャーが2点のダメージを受けて破壊されます。つまり、相打ちです。

例2:二段攻撃を持つ2/3クリーチャーと、二段攻撃を持つ2/3クリーチャーの場合
 まず先制攻撃の戦闘ダメージステップで、両方のクリーチャーが2点のダメージを与え合います。その結果、両方のクリーチャーが2点のダメージを受けますが、この状態ではどちらもタフネス3ですから生き残ります。そして、通常の戦闘ダメージステップで、両クリーチャーが再度戦闘ダメージを与え合います。これにより、両クリーチャーは破壊され墓地に置かれることになります。この場合もやっぱり相打ちです

POINT! やっぱり同じです。

二段攻撃+先制攻撃?

マジックには、クリーチャーに先制攻撃を与える呪文や能力があります。では、二段攻撃を持つクリーチャーが、さらに先制攻撃を得たらどうなるのでしょう?ひょっとして、1回の戦闘で3回ダメージを与えるようになったりするのでしょうか?
いいえ、残念ながらそうはなりません。先制攻撃は、先制攻撃の戦闘ダメージステップに戦闘ダメージを与えるという能力です。二段攻撃を持つクリーチャーは、もともとこの能力を持っていますから、先制攻撃を得ても何も変わらないのです。
POINT! 先制攻撃を得ても変わらない。

先制攻撃の後に二段攻撃を失うと?

ちょっとややこしい話ですが、二段攻撃を持つクリーチャーが先制攻撃の戦闘ダメージを与え、その後で二段攻撃を失った場合、その後の通常の戦闘ダメージステップで戦闘ダメージを与えることはできるのでしょうか?通常の戦闘ダメージステップは二段攻撃や先制攻撃を持たない普通のクリーチャーが戦闘ダメージを与えるステップです。ならば、二段攻撃を失った(持ってない)クリーチャーも、そのまま戦闘ダメージを与えることができるのではないでしょうか?
いいえ、そううまくはいかないのです。通常の戦闘ダメージステップで戦闘ダメージを与えるのは、先制攻撃で戦闘ダメージを与えていないクリーチャー、もしくは二段攻撃を持つクリーチャーである、と定義されているのです。ですので、先制攻撃の戦闘ダメージステップで、すでに戦闘ダメージを与えたクリーチャーは、何の能力も持ってなくてもダメージを与えることはできないのです。これは、先制攻撃でも同じです。
POINT! 先制攻撃の後で二段攻撃を失うと、通常ダメージを与えられない。

ブロックのときは?

蛇足になりますが、ブロック時にも二段攻撃は有効です。攻撃時と同様に、攻撃クリチャーに先制攻撃と通常攻撃で2回の戦闘ダメージを与えることができます。
POINT! 二段攻撃はブロック時にも有効!


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