解説 〜 プロテクション
プロテクションは基本セットにはありませんが,非常に重要なルールです。また,プロテクションについてはいろいろと勘違いをしている初心者の方も多いようなので,ここでしっかりとプロテクションについて理解しましょう。

プロテクションとは?

プロテクションはパーマネントの持つ特殊能力です。
「プロテクション(〜)」といった表記で表されます。カッコの中の(〜)には色などの「特性」が入ります。たとえば,実際には「プロテクション(赤)」とか、「プロテクション(アーティファクト)」といった表記になります。 プロテクションを持つパーマネントは以下の5つの効果を受けます。

(1)その特性を持つ呪文や、その特性を持つ発生源からの能力の対象にならない。
(2)その特性を持つ発生源からのダメージをすべて0に軽減する。
(3)その特性を持つクリーチャーによってブロックされない。
(4)その特性を持つ個別エンチャントにエンチャントされない。
(5)その特性を持つ装備品に装備されない。
POINT! プロテクションの定義を覚えよう!

その特性を持つ呪文や能力の対象にならない。

つまりは、プロテクション(黒)を持つクリーチャーに《恐怖》をプレイすることはできないわけです。その他にも対象を必要とする,ありとあらゆる呪文・能力の影響を受けません。特定の色を中心としたデッキに対しては驚異的な強さとなります。
しかし、対象にならないだけですから、対象を必要としない呪文や能力の効果は受けます。たとえば、プロテクション(白)を持っていても《神の怒り》をくらえば破壊されます。
POINT! 「対象」という用語には注意!

その特性のダメージをすべて0に軽減する。

たとえば、黒のクリーチャーの攻撃をプロテクション(黒)を持ったクリーチャーでブロックすれば、そのクリーチャーは一切ダメージを受けず、鉄壁のブロッカーになることが可能です。もちろん、こちらからのダメージには影響ありませんので、一方的に攻撃クリーチャーを倒すことができます。
また《地震》などの対象を取らないダメージ呪文を受けたときにも一切のダメージを受けません。
POINT! プロテクションは究極のダメージ軽減!

その特性のクリーチャーによってブロックされない。

つまりは、そういうことです。プロテクション(黒)のクリーチャーは黒のクリーチャーによってはブロックされません。逆に、プロテクション(黒)のクリーチャーは黒のクリーチャーをブロックすることができ、さらにその戦闘ダメージを0にしてしまいます。攻撃に回っても防御に回っても非常に強力です。
POINT! プロテクションは究極の回避能力!

プロテクションは本当に強いのか?

これまで説明してきたようにプロテクションは非常に強力な能力ですが、色が合っていないと意味がありません。自分がプロテクション(赤)のクリーチャーをコントロールしていても、相手のデッキが白緑だったとしたら何の意味もないですよね。では、プロテクションは相手のデッキに左右される、強いけれども中途半端な能力なのでしょうか?
実はプロテクションには特に有効な色というのがあります。それは赤と黒です。この2つの色には、直接クリーチャーを除去するカードがたくさんあり、クリーチャーを中心としたデッキには天敵とも言える色です。しかし、赤と黒のクリーチャー除去カードは対象を必要にするものやダメージによるものがほとんどなので、それらをすべて無効にできます。また、他の色(白、緑、青)には、クリーチャーを除去するカードが比較的少ないため、赤や黒のプロテクションクリーチャーは最初からデッキに入れていても無駄にはなりません。
 また、プロテクションの色が合わないなら、強引に合わせてしまうと言う方法もあります。たとえば、クリーチャーに任意の色のプロテクションを与えることのできるカードがいくつか存在します。そういったカードを使って、相手のデッキの色に合わせたプロテクションをつけることができればどんなデッキにも対抗できます。逆に、相手のクリーチャーの色を変えてしまうという手もあります。
POINT! プロテクションを有効活用しよう!

プロテクションの活用法

プロテクションの少し変わった活用方法を紹介します。

(1)嫌なエンチャント(クリーチャー)を外す。
 どんなに強いクリーチャーでも、《平和な心》などの嫌らしいエンチャント(クリーチャー)により無効化されてしまうことがあります。また、相手の弱いクリーチャーが突然《怨恨》などのエンチャント(クリーチャー)で強化されて攻撃してくることがあります。そんなとき、そのクリーチャーにそのエンチャント(クリーチャー)の色のプロテクションを与えてやれば、そのエンチャントは外れて,墓地に落ちてしまいます。

(2)呪文を打ち消す。
 対象を必要とする呪文や能力は、対象が不適切になると打ち消されてしまいます。よって、そういった呪文や能力がプレイされてスタックに乗った後で、インスタントのタイミングでクリーチャーにプロテクションを付けることにより、その呪文や能力を打ち消すことができます。特に、《怨恨》などの外れても手札に戻ってしまうエンチャント(クリーチャー)を確実に墓地に送りたいときに有効です。
POINT! プロテクションにはいろんな使い方がある!

プロテクション対抗法

今度は逆に相手がプロテクションクリーチャーを出してきたときにどうやって対抗するかを考えます。

(1)対象を必要としない呪文や能力を使う。
 たとえば、対戦相手に生け贄を強要するカードや、すべてのクリーチャーを破壊するようなカードが有効です。

(2)土地やアーティファクトを使う
 土地やアーティファクトには色がありません。よって、プロテクション(色)は土地やアーティファクトの能力には無力です。(ただし、一部のクリーチャーには、プロテクション(アーティファクト)を持つものがあります)

(3)色を変える。
 たとえば、すべてのパーマネントを無色にしてしまう《スランのレンズ》を使えば、色に対するプロテクションをある程度無効化するとができます。
POINT! プロテクションも万能ではない!


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