解説 〜 再生について
再生はクリーチャーの持つ、もっとも基本的な能力のひとつです。でも、初心者の方にはその効果を勘違いしている方もいるようです。ここでは、再生能力について解説します。

再生能力の定義

それでは、再生能力の正確な効果を定義します。

(1)再生能力とは、クリーチャーが破壊されたときにそれを置き換える<置換効果>である。
(2)再生されたクリーチャーはタップされる。
(3)再生されたクリーチャーは、それが戦闘に参加しているなら戦闘から取り除かれる。
(4)再生されたクリーチャーが受けていたダメージはすべて取り除かれる。

以上を踏まえて、解説を行ないます。

POINT! 再生能力の定義を覚えよう!

<置換効果>?

定義の(1)にあるように、再生は置換効果です。「置換効果」というのはあるできごとが起きようとした時に、それを別のできごとに置き換える効果です。つまり、クリーチャーが破壊されようとした時に、それを「再生」で置き換えてしまうのです。

たとえば、《蠢く骸骨》(1/1 再生)が攻撃に参加し、ダメージ解決の前に《ショック》をくらって、2点のダメージを受けたとします。すると、《蠢く骸骨》は致死ダメージにより「破壊」されますが、これを「再生」することにより「破壊」を「再生」で置き換えることができます。破壊されたクリーチャーは墓地へ置かれますが、破壊が再生で置き換えられてしまったため《蠢く骸骨》は破壊されなかったことになり、墓地には行きません。墓地に行くかわりにタップされ、戦闘から取り除かれ、受けた2点のダメージはチャラになります

POINT! 再生は「破壊」を置き換える。

再生したとき墓地に行く?

 さて、クリーチャーには墓地に行ったときに何らかの能力を誘発するものがいます。たとえば《アカデミーの学長》は墓地に行ったときに、ライブラリから好きなエンチャントを場に出すことのできる能力が発動します。では、《アカデミーの学長》が破壊されたとき、これを再生したらこの能力は発動するのでしょうか?

いいえ、発動しません。なぜなら再生されたクリーチャーは一瞬たりとも墓地には行かないからです。上にも書いたとおり、再生は破壊を置き換えそのクリーチャーが破壊されなかったことにしてしまいます。だからそのクリーチャーは墓地にも行きません。よって、墓地に行ったときに発動する能力も発動しないのです。また同様に、クリーチャーが場を離れることによって誘発する能力もやはり発動しません。

POINT! 再生したクリーチャーは墓地にはいかない。

エンチャントやカウンターはどうなる?

 では、再生したクリーチャーに、エンチャントが付いていたり、やカウンターが乗っていた場合はどうなるでしょう?これも上と同じです。そのクリーチャーは破壊されていないのですから、エンチャントやカウンターもそのままです。なくなったりはしません。

POINT! 再生してもエンチャントやカウンターはそのまま。

タップしてても再生できる?

 再生したクリーチャーは強制的にタップされてしまいます。では、最初からタップ状態のクリーチャーは再生できないのでしょうか?そんなことはありません。タップしているクリーチャーは再生できない、なんてルールはありませんからちゃんと再生できます。

POINT! タップしたクリーチャーも再生できる。

生け贄は再生できる?

 生け贄にされたクリーチャーは再生できるのでしょうか?《蠢く骸骨》を《堕天使》の生け贄にして、《蠢く骸骨》を再生して、もう一度生け贄にして…、とやれば《堕天使が》みるみるうちに強化されちゃいますね。(^^;

でも、これはできません。生け贄にされたクリーチャーは再生できないのです。なぜって?生け贄は「破壊」ではないからです。再生できるのは、あくまでも「破壊」されたクリーチャーだけなのです。同様に、《流刑》などでゲームから取り除かれたクリーチャーも再生できません。これも「破壊」じゃないですから。

POINT! 生け贄や、ゲームから取り除かれたクリーチャーは再生できない。

再生能力はいつ使えばいいのか?

ここからは、ちょっと難しいお話です。ルールに詳しくなりたいならどうぞ。

「さて、あなたの《蠢く骸骨》に対し、対戦相手が《放蕩魔術師》で1点ダメージを飛ばす能力を使いました。さあどうします?」
「えっ、だって《蠢く骸骨》は再生を持ってるんだから、ダメージを受けたって再生すればいいだけじゃん。ほっときます。」
「では、《放蕩魔術師》の能力を解決します。《蠢く骸骨》は1点ダメージを受けて,破壊されました。墓地に置いて下さい。」
「ちょっと待った,ここで黒マナ1点払って再生能力を使います。《蠢く骸骨》は死にません〜」
「残念でした。《蠢く骸骨》致死ダメージを受けて墓地に置かれるまでの間に、あなたには呪文や能力を使う機会がありません。再生能力は使えません。」
「えっ!、そ、そんなぁ〜〜〜」

そうです。再生能力を使には、実際にクリーチャーが致死ダメージを受けたり、破壊されリしたあとでは遅いのです。破壊される前に使わなければなりません。たとえば上の例では《放蕩魔術師》がその能力を使い、それがスタックに乗りました。そうしたら、それが解決する前に再生能力を使い、それを《放蕩魔術師》能力の上に置かなければなりません。
そうすれば、スタックルールによりまず再生能力が解決されます。再生能力が解決されると、それはそのクリーチャーのまわりに再生のための盾を張るのだと考えてください。それから、《放蕩魔術師》の能力が解決されて《蠢く骸骨》1ダメージを受けて破壊されます。しかしそのとき、再生の盾が効果を発揮し破壊を再生で置き換えるのです。

そう、再生能力は、その場でクリーチャーを再生するのではなく、そのクリーチャーに再生の盾を張るだけなのです。そして、実際にクリーチャーが破壊されようとした時に、その盾によってクリーチャーは守られるのです。

ホントは、こんなことを知らなくてもプレイはできるのですが、知っておくといろいろと便利かもしれませんよ。:-)
POINT! 再生能力は再生の盾を作るだけ


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