ストームを持つカードには以下のように表記されています。
ストーム(この呪文をプレイしたとき、このターンにこれ以前にプレイされた呪文1つにつき、この呪文を1つコピーする。あなたはそのコピーの対象を新たに選んでもよい。)
ストームは、自分自身をコピーする能力です。その条件は、その呪文より前に他の呪文がプレイされていること。何もプレイされていなければ、コピーは作られず単独で解決するだけです。つまり、ストームを持つ呪文をプレイする前に、たくさんの呪文がプレイされていれば、絶大な効果を得られるのです。といっても、普通1ターンにそんなに多くの呪文をプレイすることはあまりないでしょう。せいぜい、多くて3つか4つ。その上で、ストームを持つ呪文もプレイしなければならないのです。対戦相手がたくさんの呪文をプレイしてくれれば、自分で呪文をプレイする必要はありませんが、相手もそううまくは呪文をプレイしてはくれないでしょう。
ですので、ストームを使って絶大な効果を得るには、何らかの作戦が必要になるでしょう。
ストームは、その呪文をプレイしたときに誘発する誘発型能力です。そして、その誘発型能力の解決により、自身のコピーが作られます。コピーはプレイされるのではなく、直接スタックに置かれます。コピーはカードではないという点を除き、あらゆる点で元の呪文を同じです。
ストームが数えるプレイされた呪文の数は、ストームを持つ呪文がプレイされたときより前にプレイされたものだけです。ストームがスタックに乗り、その解決前に他の呪文がプレイされたとしても、それはコピーの数には数えられません。
ストームの数は、呪文をプレイすることによってカウントされます。しかし、呪文でないものではカウントされません。では、どんなものならカウントされ、どんなものならカウントされないのでしょうか?
呪文のプレイ
これは普通にカウントされます。特に問題はないでしょう。
起動型能力のプレイ
能力は呪文ではありませんから、カウントされません。これも問題ないですよね?
サイクリングのプレイ
サイクリングは呪文ではなく、起動型能力です。ですので、カウントされません。
打ち消された呪文
ストームは、プレイされた呪文の数をカウントします。打ち消されても、プレイしたことには違いないので、ちゃんとカウントされます。
呪文のコピー
《蒸気の連鎖》や、《ミラーリ》、《放射》などによってコピーされた呪文は、プレイされたわけではなく、単にコピーされただけです。ですので、これはカウントされません。ストーム自身によるコピーも同様です。
コピーのプレイ
《等時の王笏》や《呪文織りのらせん》のように、呪文のコピーを作ってそれをプレイする場合、これは呪文をプレイしたとカウントされます。
コピーを場に出す
《魂の鋳造所》は《等時の王笏》に似ていますが、こちらはコピーをプレイするのではなく、単にクリーチャーのコピーを場に出すだけです。なので、ストームにはカウントされません。
ストームは、呪文をプレイすることによって誘発する誘発型能力です。ですので、ストームを持つ呪文自身を打ち消しても、すでにそのときには、ストームは誘発していてコピーはスタックに置かれています。たとえば、すでに5つの呪文がプレイされている状況で、ストームを持つ《時間の亀裂》をプレイすると、それだけでストームが誘発し《時間の亀裂》が5つ、スタックに置かれてしまいます。この状況で、元の《時間の亀裂》を打ち消したとしても、のこり5つのコピーは有効です。つまり、ストームは打ち消し呪文に対し非常に強力な耐性があるのです。ただし、ストーム自身は誘発型能力なので、《もみ消し》で打ち消すことができます。その場合、コピーは1つも作られません。
ストームは確かに強力なのですが、普通に使うだけではあまり効果的ではありません。だいたい、1ターンにそんなに多くの呪文をプレイすることなどそんないないでしょうから、普通にストームを使ったとしてもせいぜいできるコピーは1つか2つ程度が関の山です。ときには、ひとつもコピーできない状況だってありうるでしょう。それならば、うまく活用できるような状況を自分で作り出してやればいいのです。
軽量呪文をたくさん使う
もっともお手軽なのがこの方法です。手札にたくさんの0〜1マナ呪文を蓄えておき、それを一気に使うのです。でも、それでも一度にプレイできるのは、せいぜい5〜6枚程度でしょう。そんなに効果は望めそうにありませんね。
同じ呪文を繰り返し使う
これはかなり効果的です。たとえば、《ヴィダルケンの大魔道士》と《気流の言葉》と《絡み樹の根》を出しておき、2枚の《羽ばたき飛行機械》を交互にプレイするのです。《羽ばたき飛行機械》をプレイすることにより、《ヴィダルケンの大魔道士》と《絡み樹の根》の能力が誘発し、《ヴィダルケンの大魔道士》による追加ドローを、《気流の言葉》の能力で置換し、もう1枚の《羽ばたき飛行機械》を手札に戻します。そのためもマナは《絡み樹の根》から供給します。適度に繰り返したところで、《苦悶の触手》あたりをプレイすればいいのです。問題は、コンボパーツが多すぎてあまり現実的ではないということでしょうか?(^^;
エクステンデッドなら、《魔の魅惑》と《洞窟のハーピー》でもよいでしょう。
ストームの相互作用を活用
《精神の願望》を使ったコンボです。《精神の願望》はライブラリのトップをめくって、それをタダでプレイすることができます。つまり、《精神の願望》自体でストームのカウント数を増やすことができるのです。ある程度運に左右されるのが問題ですが、とりあえずいくつかのストーム付きで《精神の願望》をプレイし、公開したカードの中にさらに《精神の願望》があればしめたものです。2枚目の《精神の願望》は最初の《精神の願望》によって公開してプレイしたカードもストームのカウント数に入るのです。これによって、ストーム数をがんがん増やし、《苦悶の触手》や《思考停止》で止めを刺すのです。うまくデッキを作ればかなり強力です。