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解説 〜 トランプル |
トランプルって?
トランプルとは,日本語で言えば「蹂躙」とか言う意味です。つまり,トランプルを持つクリーチャーがブロックされたら,ブロッククリーチャーを踏み潰し,それを乗り越えてプレイヤーにまでダメージが到達してしまうというなんとも乱暴な能力です。たとえば,6/6トランプルクリーチャーの攻撃が,2/2のクリーチャーにブロックされた場合,トランプルクリーチャーはブロッククリーチャーに2点のダメージを与えて殺してしまった上,残り4点のダメージをプレイヤーに与えるのです。
![]() トランプルの正確なルール
トランプルは正確にはダメージ振り分けに関するルールです。トランプルを持つクリーチャーがブロックされた場合,その戦闘ダメージをスタックに乗せる際に,攻撃側はトランプルクリーチャーからのダメージをどのように振り分けるかを選択できます。そのとき,すべてのブロッククリーチャーに致死ダメージ以上の戦闘ダメージを振り分けてもまだダメージが余っているなら,それをプレイヤーに振り分けてもいいのです。つまり,6/6トランプルクリーチャーの攻撃が,2/2のクリーチャーにブロックされた場合,攻撃側はまず2/2クリーチャーに2点のダメージを振り分け,それからプレイヤーに残り4点のダメージを振り分けることができます。すると,戦闘ダメージの解決時にブロッククリーチャーに2点,プレイヤーに4点のダメージが与えられるのです。
![]() クリーチャーへのダメージが軽減されたら?
たとえば,ブロッククリーチャーがプロテクションなどにより,受けるダメージを軽減することができるとします。しかし,それはトランプルには関係ありません。トランプルはあくまでもダメージをスタックに乗せるときのダメージ振り分けですから,いったん振り分けられたダメージが軽減されようがどうしようが関係ないのです。6/6トランプルクリーチャーの攻撃が,2/2のプロテクションを持つクリーチャーにブロックされた場合,攻撃側はやはり2/2クリーチャーに2点,プレイヤーに残り4点のダメージを振り分けることができます。すると,ブロッククリーチャーに振り分けられたダメージはプロテクションによって軽減され,クリーチャーは無傷ですが,プレイヤーにはそのまま4点のダメージが与えられるのです。
このルールは昔のルールとは異なっています。以前はプロテクションにより,トランプルダメージをすべて軽減することができましたが,現在のルールではプロテクションはトランプルには無力です。 ![]() 複数のクリーチャーにブロックされた場合
では,トランプルクリーチャーが複数のクリーチャーにブロックされた場合はどうすればいいのでしょう?通常,攻撃クリーチャーが複数のブロッククリーチャーにブロックされた場合,攻撃側がブロッククリーチャーに戦闘ダメージを振り分けます。たとえば,4/4クリーチャーが,3/3クリーチャーと,2/2クリーチャーの2体にブロックされた場合,4点の戦闘ダメージをどのように割り振るかは攻撃側が決めます。3/3に3点,2/2に1点とし,強力な方のクリーチャーのみを破壊することもできます。場合によっては,2/2に2点,3/3にも2点とする場合もあるでしょう。トランプルの場合も同じです。しかし,プレイヤーにもダメージを割り振るにはすべてのブロッククリーチャーに致死ダメージ以上のダメージを割り振らねばなりません。たとえば,6/6トランプルクリーチャーが,3/3クリーチャーと,2/2クリーチャーの2体にブロックされた場合,3/3に3点,2/2に2点割り振ってプレイヤーに残りの1点を割り振ることになります。3/3に0点,2/2に0点,残り6点をプレイヤーなどということはできません。
![]() 致死ダメージって?
ここまで,クリーチャーに割り振るダメージは「致死ダメージ以上」だと説明してきました。そう「タフネス以上」ではないことに注意してください。つまり,あらかじめ1点のダメージを受けている2/2クリーチャーが,6/6トランプルクリーチャーの攻撃をブロックした場合,ブロッククリーチャーに割り振るダメージは1点でよいのです。そして残り5点をプレイヤーに割り振ることができます。
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